海外ベンチマークと未来洞察を起点とした成長戦略の策定支援
上場を控えたテクノロジー企業の中長期成長戦略、大手製造業グループの社内シンクタンクによる未来探索プログラム——異なるフェーズ・異なる業界の2社において、海外の先進事例や未来兆候のリサーチを「議論の燃料」として持ち込み、経営チームの戦略的思考を加速させた。
業界
テクノロジー・製造(複数業界)
テーマ
成長戦略策定・未来洞察
期間
各社6ヶ月程度
支援範囲
ベンチマークリサーチ・仮説検証・ワークショップ
海外70社のベンチマーク情報をAIで多面的に収集・評価
Challenge
背景と課題
上場を間近に控えたテクノロジー企業では、上場後の成長戦略を描く必要があった。既存事業の延長線上だけでなく、自社のケイパビリティを活かして次にどの方向へ踏み出すのか。社長をはじめとする経営チームには構想力はあったが、議論を具体化するための材料——海外の類似企業がどう進化しているか、どの市場に成長の筋があるか——が不足していた。
大手製造業グループの社内シンクタンクでは、各事業部(カンパニー)が日々の業務に追われ、思考の時間軸が短期に固定されがちだった。事業計画に中長期の視点を織り込むには、目先の数字から離れて「未来はどの方向にあるのか」を考える刺激が必要だったが、事業部の中からはそうした素材が出てこない。シンクタンクとして外部の知見を事業部に届ける仕組みが求められていた。
両社に共通する課題は、戦略の方向性を議論するための「燃料」の不在だった。答えを外部に求めているのではなく、経営チームや事業部の思考を着火させ、加速させる材料を必要としていた。
議論の燃料不足 — 構想力はあるが、具体化のための材料(海外事例・未来兆候)が社内にない
成長の方向性の多義性 — 複数の方向に伸びうる中で、どこにフォーカスすべきかの判断材料が必要
時間軸の延伸 — 短期の事業運営から離れ、中長期の未来を構想する思考の枠組みが求められている
社内への翻訳 — 外部の知見を、各事業部が自分ごととして消化できる形で届ける必要
Approach
アプローチ
多方向からのベンチマーク探索
クライアントの事業をいくつかの文脈で紐解き、それぞれの方向性でアナロジーとなりうる海外の先進企業をリサーチした。テクノロジー企業の事例では8つの成長領域について約70社を幅広くリストアップし、そのうち15社程度を深掘り。市場の成長性、ケイパビリティとの相性、日本市場での実現可能性、既存事業とのオーガニックな親和性といった多面的な基準で評価し、最終的に1-2の領域にフォーカスを定めた。
経営チームとの仮説ブレスト
リサーチ結果を一方的に報告するのではなく、経営チームとのインタラクティブな議論の素材として活用した。テクノロジー企業では社長との1対1のセッションを重ね、「海外のこの企業が成功したモデルを日本でやるなら、何をどう変えるか」という問いを繰り返した。議論の中で新たな検証項目が出れば、追加のインタビューや類似事例の探索、社内データとの突合を即座に実行し、仮説の精度を上げていった。
未来兆候の収集と構造化
製造業グループの事例では、家電・通信・モビリティなど複数のテーマについて、技術動向や社会変化の中から「未来兆候」を収集した。確実な予測ではなく、まだ確信は持てないが方向性として面白い兆候——を切り口として整理し、事業部が自分たちの文脈で読み解ける資料として仕上げた。
社内シンクタンクとの協働とワークショップ
製造業グループでは、社内シンクタンクのチームと共に、収集した未来兆候をどのように事業部に届け、消化してもらうかを設計。シンクタンク内でのワークショップをリードし、素材の解釈と活用の方向性を議論した上で、事業部との対話に接続した。
Outcome
成果
8領域
成長方向性の探索テーマ
約70社
ベンチマーク対象企業
15社
深掘り分析対象
2社
同アプローチでの支援実績
テクノロジー企業では、8領域・約70社のベンチマークから成長の方向性を1-2領域に絞り込み、上場後の中長期戦略の骨格を形成した。半年間の議論を通じて、経営チームの中に「次の一手」に対する具体的なイメージと判断基準が共有された。
製造業グループでは、社内シンクタンクが事業部に提供する未来探索プログラムの質が向上。事業部とのワークから高い評価を得たと聞いている。目先の業務に閉じがちだった事業部の思考の時間軸が、具体的な未来兆候を媒介にして中長期へと広がった。
両社に共通して、外部の刺激材を持ち込むことで「社内だけでは出てこなかった問い」が生まれた。答えを渡すのではなく、問いの質を上げるという支援のあり方が、経営企画や社内シンクタンクのように事業部の外から事業部と連携する立場の人たちにとって、実践的な価値を持つことを示した事例となった。
Client Voice
“なんでそんな面白いものを、こんな短期間で見つけてこられるんですか。深掘りと探索、両利きのリサーチを一人で実現できている人は他に知らない。驚きとファクトのバランスが、経営チームの議論の質を一段上げてくれた。”