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2021年1月31日

こーべ通信 vol.5:機能と器用

Cobe Associe は、戦略と技術の問いを現場で検証可能な仮説に変える。

 神戸から、おはようございます。2月ですね。

 これまでのvol.1-4を読み返して、レターの冒頭の部分めっちゃ長いやんと改めて感じ、かつ読んで面白かった記事もたくさんあるので、今回は短めにするぞと。

オフィス近くの公園・芝生ゾーン。囲いがされてから鳩たちの楽園に。

 今週まで読み続けていた伊藤亜紗さんの書籍「記憶する体」の第4章に、23歳で事故により左足膝下を失い現在義足をはめて生活するプロダンサー、大前光市さんのお話がありました。いわく、義足をはめている左足のほうが、右足よりも”器用”だと。

 そもそも、人生の途中で障害を得ることは、体に対して意識的な関わりを要求するものだ、と大前さんは言います。
 この変化を一言で言うなら、「オートマ制御からマニュアル制御への移行」ということになるでしょう。つまり、それまで特に意識せずにできていた、立つ・歩く・見る・話す、といった動作を、意識的に調節しながら行わなければならなくなるのです。

(中略)…「器用と機能は違う」と大前さんは言います。「『器用』と『機能』はちょっと違う。左足は常に意識しているから、筋肉も敏感になってるんです。そうすると、細かいことができる。たとえばすぐに力が入ったりとかできるんです。右足は力はあるけど器用じゃない」。
 確かに「機能」の数で言えば、右足の方が圧倒的に有利です。落ちたものを足指で拾う、というようなことは左足にはできません。けれども常にマニュアルで制御しなければならないからこそ、左足は意識して動かせる精度が高まったといえます。「ここをこう動かそう」「ここにこう力を入れよう」と意識すれば、細かい動きでも左足はきちんと応じてくれる。それが大前さんの言う「器用さ」でしょう。
記憶する体、pp74-75 & pp.88-89)

 あらゆるものがオートマ制御の世界に行くと、器用さはもう求められないのかもしれません。器用貧乏、という言葉もありますし。それでもそれでも、何かのきっかけで機能が失われたとして、器用さをもって立ち向かえる人でありたいな、と思いました。

この本の中に出てくるいろんなエピソードは、自分の身体との関係性を見直すいいきっかけになりました。頭ばっかり動かしている方にこそおすすめです。

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ここからは、私が今週観たものや聴いたものなんかを紹介していきます。


✏️読んだ/読んでいる

📃記事

  • リスク回避か、リスク追求か、それが問題だ:大好きなブログ「タイム・コンサルタントの日誌から」より。『わたし達は合理的にふるまいたいと思っている。ただ、ふつうは経済学の理論が前提するほどには、合理的ではないのだ。もちろん、全く非合理な存在でもない。わたし達の複雑な脳が命じる程度に、複雑系的な行動をする人間たちによって、組織も社会もできあがっているのである。』蓋し至言。(Link

  • 感情を”編集”する時代に:世界的規模のゲーム配信サービス「Steam」を運営するValve社が、これまで以上の没入感をもたらすBCI(ブレイン・コンピューター・インターフェース)ヘッドセットの開発を進めているとのこと。身体を介さずに感情を”Edit”できるなら最高だろ?とCEOのGabe Newell氏は語っています。(Link

  • 自信をつくるための5つの姿勢1) Raise belief capital, 2) Start with limited expectations, 3) Find an unfair advantage, 4) Normalize your heroes, 5) Make transforming experiences. Link

  • T型人材になるための情報収集:2万字の大作。よりよいインサイトを生み出すための情報収集の考え方がよくまとまってました。ニュースレターにも登録(Link

  • 世界の最果てで気候を見守る:アイスランド・レイキャビク周辺で牧場を営みながら天気予報を続ける。“A farmer is looking for support at a weather station and sheep farm.”。なんという。NYT記事の中の写真が美しいです。(Link

  • AIが医療現場での人種ステレオタイプを是正する:Nature Medicineに掲載された論文の紹介。医師の評価ではなく患者側の訴えをベースに学習をすすめることで、医師が陥りがちな盲点をカバーするように作られたAIモデル。結果、黒人患者の膝の痛みの診断において意味ある結果をもたらしたと。(Link

  • オバマケアが米・低所得者の血圧・血糖値が改善:津川先生の研究。オバマケアにより、低所得者向けの公的医療保険であるメディケイドの対象者が拡大されたことで、低所得者層の健康状態がどのように変化したのか検証。(Link

  • リーダーシップのあり方としての”例示”:理論を示すより、正論を語るより、やってみせるほうが早いことはたくさんある。例がないからやらないのではなく、自分自身が例になろう。(Link

  • 技術的なハマりパターンを分類・オサレに命名し、パターン毎に解決策(エンジニアのググり方・質問の仕方)を明示してみた:原題ママ。魚ではなく釣り竿を、の極地。どんどん編集・追記されているのが素晴らしい(Link

  • 未来予測のプロ7人に聞く、2030年に起きること:MITテクノロジーレビューより。「2030年の予測:もっと地味なテクノロジーに目を向けるようになるだろう』ぜひに。(Link

  • 意見対立時には事実よりもエピソードを:政治対立が深まる世界に。ノースカロライナ大学の研究チームの成果が取り上げられています。(Link

  • あえて天敵の懐に飛び込む動物の知恵:オオアオサギは、あえて天敵・ハクトウワシの巣の近くに自分の巣をつくるそうです。一見危険ですが、ハクトウワシは縄張り意識が強く他のハクトウワシを追い払うため、確率的にはより安全になるんだとか。なんと賢い。(Link

    A Great blue heron takes flight on rocks above the Salton Sea near Niland, California.
  • 外洋性のサメとエイ、50年で7割以上減少:これらの海洋生物種の4分の3以上が現在、絶滅の危機に瀕していると。ハチの目撃数も25%減っているようで。(Link

📙本

  • 伊藤亜紗『記憶する体』:冒頭の通り、めっちゃいい本でした。伊藤亜紗さんの本はいつもいい思考をくれる。(Link

  • 大川慎太郎証言 羽生世代』:将棋好きにはたまらない本でした。藤井猛先生への愛がとまりません。(Link

  • 奧野克巳・吉村萬壱・伊藤亜紗「ひび割れた日常 人類学・文学・美学から考える」:足し算の時間と引き算の時間、使いこなせるようになろう。(Link

  • 紛争でしたら八田まで 第1-4巻:マンガ。タンザニアやウクライナなどの事情、ニュースで見てはいたけど実感があまり伴わなかったんですが、少し距離が近くなりました。いろんな国のおいしそうなご飯も見れて最高(Link

  • 天地創造デザイン部 第6巻:マンガ。生物学志望者を増やすことに絶対貢献する。デザイン事務所志望はたぶん減る。(Link


🎥観た/観ている

  • The Complete List of Trump’s Twitter Insults (2015-2021):トランプ元・米大統領のTwitter発言を集めたインタラクティブ辞書。おじちゃんめちゃくちゃ言ってきたんやな…(Link

  • 悪い顔選手権:疲れきった夜にふと開いてしまい、腹抱えて笑いました。好き。(Link

  • Best Men's Shots of the Decade:テニス・ウィンブルドン男子のベストショット集。クオリティが高すぎるよ…(Link

  • 桂文珍 独演会:神戸にいらっしゃったのでお噺を聞きに。あんな語りが出来るようになりたいなぁ。(Link

📻聴いた/聴いている

  • Rebuild 294: It's a Cyberpunk Game (higepon):オンラインミーティングがいよいよなので、骨伝導ヘッドホン買おうかな。天地創造デザイン部は本当におすすめ(Link

  • Rebuild 295: Point of No Return (hak):「もしそれを海原雄山がきいたら…」っていう問いかけ部分でめっちゃ笑いました(Link

  • How Music Evolved: Billboard's Hot 100, 1958 - 2016:これはとりあえずURLたたいてみてよ案件(Link


🧩感じた/感じている

  • 書くことは考えること。書くことを習慣化することは、考えることを習慣化すること。幅広く書くことを習慣化することは、幅広く考えることを習慣化すること。

  • Google Docsなどでも、Notionで使うコマンドを使えるようになるGoogle Chrome拡張が便利。(Link

  • (先週のユヴァル・ノア・ハラリさながらに)人間の愚かさを過小評価してはいけない。自分の怠惰さを過小評価してはいけない。

  • 実家(長野の北端)にいたときに祖父が言っていた「東京に雪が降り始めたら春が近い」が真実だとすると、春は近い。

  • 実家近くの長野・小布施に出来たミュージアムオフィスがよさそう。想像力を触発する空間(Link

🍵今の関心事

  1. 座りすぎ腰痛、飛び出す花粉とどう闘うか

  2. 自分のだめなところを率直にフィードバックしてもらう機会をどこでつくるか

  3. 2-3月の読書時間、どこで確保するか

  4. 4月以降、旅する機会をどうやって確保するか

  5. 人が組織・経営者の枠を超えて成長するために仕掛けとは何か

🥑活動報告

  • ポッドキャスト・Cobe.fmで、「フォークの歯はなぜ4本になったのか」の回を始めました。本当にいい本です。(Link

  • 近々、書籍が出る予定で、1月末で第1稿書き上げました。これから編集・校正で、もう一踏ん張り。発売は今年4月を予定しています(To be Updated)

  • 今年はテニスの大会に出てみようと思います。いずれかの大会で1度は優勝するのが目標です。(To be Updated)

  • 3月末まで全力疾走200%で仕事をすることになりました。健康第一、笑顔でふんわりとがんばります。(To be Continued)


みなさんの、読んで面白かったものや考えていることなんかも、ぜひコメントやメール、SNSなんかで教えてください。

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