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2026年9月27日

ご迷惑をおかけしております。

Cobe Associe は、戦略と技術の問いを現場で検証可能な仮説に変える。

ぼーっとした人生を送ってきた。

ミスやうっかりが多い日々を過ごしている。一部をご紹介しよう。

リビングのクーラーを消し忘れたまま寝てしまう。カバンの奥にくしゃくしゃになった書類が眠っている。ポケットにハンカチを入れたまま洗濯機に入れてしまう。出張先に充電ケーブルや水筒を置き忘れる。AirPodsがケースからこぼれ落ちても気づかない。ビニール傘は100本以上なくしてきた。

頭だけではなく体の方にも緊張感がない。

よくお腹が痛くなってトイレにひきこもる。大事な会議中に空腹が限界を迎え、集中力を欠いていることもしばしば。客商売なので見た目も大事なはずなのに定期的に円形脱毛になり、平らな道でもよく転ぶ。テニスをしていても大事なところで脚が攣る。

なぜだろう。わたしが怠惰だからかもしれない。

怠惰。私を象徴する言葉だ。大好きな言葉でもある。

逆説は表面上のものでしかない。保守主義は進歩の源泉でありうる。怠惰が能率の母であるように。 (『ウェルベック発言集』p181)

勤勉さはつくられたものだ。マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読むとよくわかる。非カトリックのキリスト教がここまで世界に広がり、進行され続けているのは、みんな大好き金稼ぎと彼らが重視する勤勉さの相性がすこぶる良いからである。(カトリックとプロテスタントの違いは『セシルの女王』最新第11巻に詳しい)

原罪の認識と宗教的救済への不安

→ 自分が神に選ばれていることを生活態度によって確証したい

→ 職業労働を召命として規律正しく遂行する

→ 怠惰・享楽・浪費を避ける

→ 利益が生じても消費せず再投資する

→ 資本が蓄積する

その信仰が本物なら、その人の生活には秩序だった行動が現れるはず。その人は、一生を通じて、規則正しく、勤勉に、自己を統制して働く。

コンサルティングファームという所は、一流の勤勉さが求められる組織である。対顧客との定例会議やインターナルがリズムをつくり、自らの時間や上司の時間を浪費することは圧倒的な悪である。資料のなかに、あるいはコミュニケーションの中に遊びは認められない。余ったリソースがあるなら?価値を出すために再投資である。当然、みな資産運用が大好きだ。

私は、コンサルティングファームのスタッフとしては三流以下だった。勤勉さが決定的に欠如しているからだ。清教徒・ピューリタンが建設した都市・ボストンに出自を持つファームが求める規律はとんでもない水準に合った。入館証を家に忘れると給与天引きペナルティがあった。いかにも私と相性が悪い。

私が育った信州北部は浄土真宗の本拠地だ。通っていた幼稚園は仏教系で、併設されたお寺の名前は真宗寺(島崎藤村『破戒』の舞台でもある)である。「南無阿弥陀仏だけ唱えていれば万事OK!他力本願!」の精神で育ってきたのだ。オーナーシップや自律行動が求められるコンサルティングファームで成果を出せるはずはないのだ。本当に早めに辞めてよかったよ。

コンサルファームの成果物が使い物にならない理由はいくつかあるが、その一つは「想定する人間像がまじめすぎる」ことにある。想定する人間像が薄っぺらすぎる。東大や京大で内輪サークルを楽しんでから就職し、都心に住んで、ビジネス書ばかり読み、たっかいメシしか食わない人間にこの仕事は向いていないのだ。

人間は怠惰で、ズルをするし、仕事で成果を残すことよりも縄張り争いに精を出し、自己の改善よりも他人の不出来を肴に酒を飲むことを優先する。「なんか怖いから」とNISAもやらず、しかし週末は競馬や競艇に精を出す。そういう人が現実に存在するのだ。市井の矛盾や不条理を理解できていない人や組織に、まともな事業運営の示唆など出せるはずはないのだ。

なので、わたしは自身の怠惰さを愛している。仕事の役にも立っているし。

しかしいろんな人に迷惑もかけている。特に妻。申し訳ない気持ちになる。AirTagもうすこし増やします。

お便りをお待ちしています。


💼心惹かれたもの

  • 熊本の利平栗:秋がきた!JAタウンで復興支援。 link

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  • やよい軒 しらすおろし定食:外出時の最高朝食を見つけました。吉野家にもしらすおろし定食があるんですが私はやよい軒派。これでいいんだよ。 link

✏️読んだ/読んでいる

📃記事

  • 一人娘が生まれると男上司は変わる:デンマークにおける1992〜2017年までの全労働者・全企業の行政記録を用いたオーフス大学の研究。男性経営者に第一子として娘が生まれると、その会社の女性の賃金比率は4.1%上がり、女性従業員の比率は4.5%上がる。効果は出産直後に始まり、その経営者が会社にいる間ずっと続く。賃金・比率上昇は既存社員の昇給ではなく、新規採用と昇進による。一方で、それが息子の場合や二人目以降の娘の場合、特段変化は起きない。先進国の男女賃金差は今も12%で、クオータや多様性研修はしばしば逆効果を生むことがわかっている。信念はデータでは変わらず、驚きを伴う当事者性で変わる。誰しもが人間だ。link

  • 無料バス政策の愚かしさ:ニューヨーク市長・マムダニの公約の一つが市内バスの無料化だ。エストニア・タリンでは既に無料となり、ドイツも一時は補助金で無料同然だった。「いいなぁ」と言った人、残念でした。どの都市でもこの政策は不人気で、失敗とされている。原因とされるのは、バス需要の価格弾力性の低さ(価格があがったりさがったりしても需要がそれほど変動しない)だ。2012年に有権者の3/4が賛成して無料化したタリンの街では、バス移動はわずか1%強しか増加しなかった。サンティアゴの無作為化試験では23%増えたもののオフピーク時に限定されている。ドイツの安価な定額パス導入が促したのは週末と観光地利用のみで、しかも運行遅延は3割増加した。ルクセンブルクでの実験は二酸化炭素排出量を6%減らしたもののその削減コストはEU排出権価格の70倍に登る。渋滞と排出を減らしたいなら道路課金と排出規制の方が安あがりだ。政治家は有権者に受ける無料化が大好きだ。まともに勉強をしていない政治家はそれを実践してしまう。愚かしさの極地。link

  • 欧州ポピュリストはなぜ中国に沈黙しているか:欧州諸国にとっての中国はどんな存在か。長く対立してきた巨大で共産主義国家で、かつて自国を潤した自動車の輸出大国の位置を奪い、お友達たるウクライナを攻め続けるロシアを裏で支え、経済的凋落の原因となった新型コロナウイルスの発生源かもしれない国。欧州のポピュリストにとってこれ以上の標的はないはずである。なのに右派・左派ともに議論の争点を移民と国内問題に起き、中国に向けた批判の声はほとんど聞こえてこない。著者はその理由を、欧州ポピュリスト政党にとって、中国が敵ではなく手本だからとする。権威主義で経済を回す中国のモデルを、彼らは批判するより模倣したがっているのだ。叩く相手を選ぶ基準は脅威の大きさではなく、自分が何になりたいか。あるべき批判の欠落は、理想の告白でもある。link

  • ロシアは総力戦の新フェーズに入った:The Economist記者団のウクライナ戦地レポート。8月末からジェット推進のシャヘド無人機が大量に飛来し、ミサイル着弾も増え、迎撃手段の足りない首都から徐々に人が離れ始めている。前線は膠着状態で、今年ロシアが得た領土は約100平方キロに留まる。ウクライナ側の推計ではロシア軍の確認戦死者は60万人、毎月2.2~2.3万人が亡くなっており、重傷者を足せば月3万人強の新規徴募を上回る損失となる。それでもプーチンは来春まで攻撃を止めないと宣言している。これまでは戦争の重心が『前線の領土争い』だったが、現在は『国家全体を消耗させる戦争』へと移行している。ロシアの攻撃対象はもう軍事拠点だけでなく、鉄道、港湾、物流倉庫、製鉄所(8月の鉄鋼生産は前年同月比で約60%減)、電力、都市生活そのものへと広がっている。ロシアは数々の長期戦に勝利してきた国だ。彼らにとって、相手国民の睡眠までもが攻撃対象なのだ。 link

  • 現代の若年男性は『カジノの中の修道士』:ロサンゼルスの実家に住む28歳のスパイシャクは自称ポルノセクシュアル。8台のタブレットと3台のモニターで27本の動画を同時に流し、生身の相手との関係は「相手の頭の中が分からないのが疲れる」と避け続けている。デンバーの26歳・カイルはスポーツ賭博が合法化された日にほぼ全ブックメーカーの口座を開いた。この二人は、若年男性がもつ孤独の象徴である。どちらも他人との身体的接触を避け、前者はあらゆるリスクを避けてひきこもり、後者は過刺激の海に沈殿する。著者は彼らを「カジノの中の修道士」と表現した。孤独の正体は寂しさではなく、失敗の可能性を生活から消してしまったことにあるのかもしれない。link

  • 見た目はおっさん、中身はイタイ若者:「成人の65%が心理発達5段階のうち第3段階、他人の評価を内面化して自分を定義する段階で止まる」多くの人は大学を出た22-23歳で精神的な成長が止まり、60歳になってもそのときの頭で生きている。サブスクにエンタメが溢れ、仕事はどんどん緩くなり、困ったことはなんでもAIに聞ける時代に、なぜ幸せになれないのか。日曜深夜に「人生を立て直す!」と意気込んだのに、なぜ2週間で元の生活に戻ってしまうのか。記事著者が言うには、情報を処理するシステムそのものが古いから。「問題を生んだ思考水準では問題を解けない」というアインシュタインの言葉から考えれば、わたしたちに必要なのは情報の追加ではなく処理系の更新である。 link

  • 『昆虫は人間より重要である』を詭弁にできるか:毎秒およそ6000億匹の昆虫が死ぬ。死ぬのに1時間かかるとすれば、人間の1秒あたり昆虫は27万秒、75時間分の”死”が生まれている。功利主義に基づく思考実験を突き詰めた著者はここから、昆虫の福祉は総量で人間の福祉を上回ると主張する。痛みを避けるべき、という規範に種は無関係で、仮にハエの感受性を人間の1/10,000と控えめに置いても、毎秒昆虫が感じる苦痛は全人類が死の苦痛の26倍を生涯感じ続けるのに等しい計算になる。もし私たちが地球・社会を幸福にしたいのならば、昆虫を救うことを人類に優先させるべきだろうか。「いやいや、人間が先だよ!」と言うならば、どんな論理を用い、それは頑健なモノになりえるだろうか。思考実験って本当に面白いね。 link

  • 何もする必要なし。どこに行く必要もなし。:「最初の顧客がついたら…」「資金調達が済んだら…」「PMFが見えたら…」資本主義にどっぷり浸かった私たちの世界は「〜したら〜する」に溢れている。この海を泳ぎ続ける人たちがここまでがんばれるのは『価値のない現在→目標達成→ようやく価値のある人生』というメガネをかけて世の中を見ているからだ。ベトナム出身の禅僧ティク・ナット・ハンは”Nothing to do, nowhere to go”といい、日々の欲望と自己価値を切り離そうと言った。猛烈に仕事をしながらも、「別にこれが成功しなくても、自分の人生が未完成になるわけではない」と思えること。野心はあなたを規定しない。 link

📙本

  • ウェルベック発言集:私が広告マンを嫌う理由が詰まっている文章だった。こういう物言いをする人、そら炎上するわ。真理は社会と相性が悪い。 link

    「おまえは欲望しなければならない。おまえは欲望をそそる存在にならなければならない。おまえは競争に、闘争に、この世界での生活に参加しなければならない。止まってしまえば、おまえはもう存在しない。遅れたままでいると、おまえは死んでしまう」、と。永遠性に関するいかなる観念をも否定し、みずからを永続的な更新のプロセスだと定義づけながら、広告は主体を煙に巻いて、生成変化に悩まされる亡霊に変えることを目指している。そして、こうした世界での生活に表面的で表層的な形で参加することが、存在の欲望に取って代わると目されている。 (p.34)

  • アラン 定義集:向坂くじらさんのエッセイからの続き。一つ一つの言葉を取り出して、それは何かを真剣に語る。辞書が社会をたゆたうための船ならば、この定義集は強力なエンジン。抽象(無限に複雑で絶えず変化している具体的な対象の単純化)、同意(自然の合意、自然の平和であって、意志には何一つ負うものではない)など。即興で定義を考えるセッション楽しそうだ。この思考を放棄するビジネスパーソンにろくな奴はいない。この本が好きな人は『会社という迷宮 経営者の眠れぬ夜のために』も好みのはず。 link

  • 力と交換様式:先々月いちど開きかけて断念した柄谷行人と再戦。力の拮抗と結託。経済問題を切り離してマルクスを勉強すべき時が来たのかもしれない。 link


🎾観た

  • 大阪市長杯スーパージュニア:現地観戦。本当にみんな18歳以下?女子もみんな180cmくらいあったよ・・・??

🧩感じた/感じている

  • フラジャイルが次巻33巻で完結。涙なしには読めんぞ。

  • 会議で「補足ですが・・・」と話し出す人が苦手。補足だったことがない。この話出しを推奨している自称”会議のプロ”もいるらしい。とち狂ってんのか?

  • どんなときも、目の前のことに一歩一歩。> “壁を築こうとするとき、最初から史上最大最強の壁を築こうなんて言う人はいない。レンガをできる限り完璧に積み上げよう。それを毎日続けていれば、やがて立派な壁が完成する“(ウィル・スミス)

🍵関心事

  • 米国政府は10月から新年度に入る。上旬は日銀短観、中旬はIMF経済見通し、下旬は日米で金融政策決定会合/FOMC。喧しい1ヶ月になりそうだ。

🥑活動報告

  • 今週末に人生初めての新日本海フェリーに2泊3日です。読書し放題。

  • 10月は長い出張が2つ。楽しい1ヶ月にしよう。

お便りをお待ちしています。

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