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2025年10月5日

ダブルスの良さ:献身、不条理、チームワーク

Cobe Associe は、戦略と技術の問いを現場で検証可能な仮説に変える。

 先週の東京出張、会議合間に有明でテニスを観てきた。日本開催で唯一開催されるATPツアーレベルの大会、ジャパン・オープン。今年は世界ランキング1位のカルロス・アルカラスが初めて参戦するということで会場はパンパン。毎年在庫が溢れていた大会タオルも私が行った大会7日目には既に品切れ。噂によると、アルカラスクラスの選手を招待するためには賞金と別に数千万円の招待料が必要になるらしいが、十分に元が取れたのではないか。観客としても、数千円で彼の人間離れしたパフォーマンスが観られるならば安いものだ。それくらい彼のテニスは常人の想像を超えている。

 なお私はアルカラスの試合を全く観ていない。柚木武選手が登場したダブルス準決勝、柚木・ボパンナ組vsハリソン・キング組の試合をみたら胸が一杯になってしまい、その直後に登場するアルカラスを観るべく会場に殺到する人の流れに逆らい早々に宿に引き上げた。それくらいこの準決勝はすばらしいものだった。

 柚木選手はこのジャパンオープンでATPツアーレベルで初勝利を挙げた27歳。ペアのロハン・ボパンナは昨年44歳にして世界ランキング1位になったインドの英雄。対するハリソン・キング組は第1シード、めちゃくちゃ強いペアである。このペアを経験不足の日本の若手と髪と髭に白髪が交ざるおっちゃんが破った。会場はとんでもない盛り上がりだった。拍手のしすぎで何度かApple watchから騒音の警告を受けた。

一番右18/16となっているところ、本当は10点先取で勝負が決まるのだけれど2点差がつくまでは続ける(10/9では終わらず11/9でやっと終わる)ルール。つまり「このポイントを取られたら負ける…」が何回もあり、それを凌いで勝ちきった。

テニスを真剣にやっていた人にとって、この競技の花形はなんといってもシングルスだ。一般人が知っているテニス選手はアガシ、フェデラー、ナダル、ジョコビッチくらい、みんなもれなくシングルスプレイヤーだ。ブライアン兄弟の名前を知っている人はどれくらいいるだろう。↓が9月末発表のダブルス世界ランキングトップ10なのだけど、知っている名前はあるだろうか。みなウィンブルドンや全米、全仏で大活躍する選手なのだけど。

Arevaloのダブルスは本当に魅力的で推し。

シングルスは身体と技能の世界。これからも人を惹きつけ続けるだろう。しかしテニスのことがわからない人が初めて生観戦するならダブルスをおすすめしたい。そこにあるのはペア・チームへの献身であり、どれだけ努力してもペアが失敗したらポイントを失うという不条理であり、言語を介さずとも高度に発揮されるチームワークである。自然と拍手したくなる空間がそこにはある。日本テニスはダブルス文化の根強い国だ。響き合うものがあるのだと思う。

お便りをお待ちしています>


💼心惹かれたもの

  • BLUNT METRO X MORDECHAI RUBINSTEIN ‘MULTI’:最高にかわいい傘。秋にぴったり。 (link)

  • MEGATRAMP:某国大統領のことかと思ったら、高さ14mまで飛び上がれるトランポリンでした。”世界最大・最強トランポリン”、縦横10mずつで設置ができる模様。神戸市北区に設置できないだろうか… (link)

    Akrobat MEGATRAMP
  • Blockhead/Macbook充電器:横長デザインでソファ等家具の後ろにすっきり収まる。常設するなら、Apple純正よりこちらのデザインの方が好き。 (link)

✏️読んだ/読んでいる

📃記事

  • 90歳までに学んだ9つのこと:より善い人間になるために。 (PDF, link)

    • 憎しみ、嫉妬、不正直、残酷さなどを悪、喜び、親切、正直さは善であるという道徳的な枠組みを持ち続けること

    • 常に目を拓き、意識的であること

    • 他者が何を考え、何を感じているかを考慮すること

    • 幸福を心のデフォルトにすること:”私たちが受ける温かさや愛情よりもさらに重要なのは、私たちが与える温かさや愛情である” (ダライ・ラマ)

    • 永遠の視点を求めること

    • 自己欺瞞に注意すること:”人間の心がある見解を支持すると、他のすべてをそれに合致させ、支持するように引き寄せる” (フランシス・ベーコン)

    • 死を前もって熟慮すること

    • 運が果たす役割の大きさを自覚すること

    • いま持っているものの事を考え、大切にすること。

  • 米国女子プロバスケ選手の生活『スーツケース、犠牲、自己探求』:ケイトリン・クラークなどスター選手の登場で注目が高まっている米・WNBA。しかしロースター枠は1チーム12人、リーグ全体で144人に限定されており選手はいつも解雇リスクを感じながらスーツケースの中身をほどくことが出来ずにいる。チームに怪我人が出てプレー可能な選手が10人未満になった場合に、一時的に選手を補充するための短期契約(ハードシップ契約)は選手にリーグ残留のチャンスを提供しつつも、逆に直ぐに訪れる契約終了時期が選手の精神を消耗する状況が続いている。犠牲を払い、自己探求を続けた先にあるのは不安定な雇用。根本的解決策はリーグ・チームの拡大だが、果たして持続的な人気を作り上げることが出来るだろうか。 (ESPN, link)

  • 『わし、AI嫌いやねん』:AIに対する生ぬるい議論や中立的な立場を拒絶し、AI技術そのものに環境問題やバイアスの助長、労働搾取を始めとする根本的な欠陥があると断ずる。アンソニー・モーザーは、生命の価値を理解する映画監督の宮崎駿の知性と、金のために嘘をつくとされる”詐欺師”サム・アルトマンを対比し、AIがユーザーから生命力を奪い、至福の無知と完全な孤立が蔓延る未来をもたらすと警告する。アートを愛そう。 (moser’s frame shop, link)

  • 宇宙船は国家の技術:現代において宇宙開発能力が一国の地政学的な力、経済力、そして外交力を示す重要な指標となっており、現在米中の間に第二次宇宙開発競争ともみなせる激しいリーダーシップ争いがあるとみている。最近月着陸船「Lanyue」のモックアップ試験に成功した中国は2030年までに月面に到達する野心を一層強固にしており、米国はNASA長官が非常任であることやアルテミス計画が遅延していることを考えると遅れを取っているようにもみえる。未来の宇宙における法的、経済的、戦略的な秩序を形作るのは果たしてどの国か。 (AEI, link)

  • 人類移動の現状 気候変動・食糧危機・紛争の時代に:この3要素は個別に捉えても事態の深刻さが見えてこず、むしろ互いに深く関連し影響を及ぼし合う連関/ネクサスとしてみるべきだ。気候変動による食糧不安、それに伴う資源争い、争いに端を発する移住や避難…異常気温は問題の原因であるだけでなく各種リスクを増大させる「脅威の増幅装置」でもある。気候変動対策、人道支援、開発援助、平和構築といった分野が縦割りを脱し、包括的/ホリスティックな戦略実行が一層必要な時代。 (IAI, link)

  • 中国のバッテリー業界独占が意味すること:中国は一夜にしてバッテリー大国になったわけではなく、20年以上にわたる一貫した産業政策を通じて、原材料の精製、正極材やセパレーターなどの部品製造、セル製造から需要創出に至るあらゆるバリューチェーンでの支配的地位を作り上げてきた。バッテリー産業の覇権が未来のエネルギーと地政学を左右する重要な要素。インドをはじめ他の大国は中国の成功からメタに学ぶべきである。 (Observer Research Foundation, link)

  • 冷水浴の誤謬:現代のウェルネス文化は、ドーパミンの放出といった科学的な根拠を部分的に示しながら、冷水浴など特定の習慣を万能薬のように紹介しがち。しかし心身には体質や気質の違いがあり、万能な健康法などないのである。古代ギリシャの四体液説(人間の健康や性格は、血液、黄胆汁、黒胆汁、粘液という4つの体液のバランスで決まるとする説)の科学的な正しさは脇に置いて、個々の特質に改めて目を向けよう。 (Big Think, link)

  • 自問自答を助ける質問リスト:自分自身と深くつながり、自己愛を育むための具体的な質問たち。↓はその例。 (the Fairy&the Moon, link)

    • 最近、頭の中で繰り返し考えていることは何?

    • 最近、一番喜びを感じたことは何? それを増やすことはできる?

    • 何を恐れている?

    • 何に腹が立つ? それは自分のどんな境界線を超えてこられたとき?

    • 今、手放す準備ができているものは何?

📙本

  • 新訳 アレクサンドロス大王伝:今年読んだ『モンテ・クリスト伯』の中で盗賊の長が読んでいたプルタルコスの著書。分厚い紙書を東京に持参したのですが体調不良と飲酒過多でなかなかページが進まず。めちゃ短気だったことがわかったところまでです。今週神戸でじっくり読む。 (link)

  • ナニワ金融道:知人の会社が資金ショートで倒産まっしぐらとのこと、基礎教養を再履修。手形と小切手は何が違うのか。連帯保証人は保証人からどれほどかけ離れた存在か。借りたもん返すんは人間の基本ですわ。 (link)

📻観た/聴いた

  • Kazumasa Oda Tour 2025@横浜アリーナ:知人に招待頂いて大堪能。周りのお姉様方は皆涙されていて、『たしかなこと』『言葉にできない』『君住む街へ』の生歌にわたしも落涙でした。78歳で花道を走るあの元気すごいな。駅から会場までの間に大量のダフ屋さん、現存してたんか。

  • テニス・ジャパンオープン2025:ダブルス準決勝の第3セット・スーパータイブレーク。積み上がった努力に感動する時間でした。


🧩感じた/感じている

  • これから日本でもインパクトファンドが増えていきそう。多くのCVCがまともに機能していない現状、CVCは戦略リターンみたいな霞ではなくインパクトを追求する方に振り切った方が結果的に得られるものが多くなるのではないか。

  • 結局どんな仕事の現場でも、逃げないやつ、腹を括ったやつが最も多くの果実を得られる。

  • 自然に目に入ってくるものと、みようと思って見るものは異なる。物理センサー由来のデータと量子コンピュータが処理する何かは全く別物であるように。

  • ヒンドゥー教聖典の一つ『バガヴァッド・ギーター』に”他人の義務を完璧に果たすよりも自分の義務を下手に果たす方が良い”という一説がある。その通りだと思う。

🍵関心事

  • 今月末の納税額と資金繰り。どのタイミングで法人口座の投資信託を取り崩すか。

  • 次の東京出張をいつにして、そのとき誰と会うか。

🥑活動報告

  • テニス関連の新事業で申請していた新事業進出補助金、無念の不採択でした。身銭を切ってやれよ、という神仏のメッセージだと割り切って、腹括ってがんばります。まずはまともなECサイトの構築と倉庫・ロジの手配。

  • 先週相談のあったいくつかのお仕事案件が形になると来年3月まではだいぶ忙しくなる。稼いでは投資し、稼いでは投資し。手元に残さず社会にお戻しするキャッチ&リリースで仕事をしています。

お便りをお待ちしています>

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