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2024年12月29日

小説『モンテ・クリスト伯』感想

Cobe Associe は、戦略と技術の問いを現場で検証可能な仮説に変える。

東京で個人事業主をされている綿貫さんと数年続けているポッドキャスト・Cobe.fmでは、少し古めの本を1冊選び、その読後感を自由に話している。私からは「ルワンダ中央銀行総裁日記」や「世界からバナナがなくなるまえに」、「フォークの歯はなぜ四本になったのか 実用品の進化論」等を紹介する一方、アート・文藝にこれまで関わってきた綿貫さんからは「スローターハウス5」「死のロングウォーク」のような、普通に生活していたら手を伸ばさなかっただろう作品を提示してもらえて有り難かった。

直近回でとりあげたのが19世紀フランスの名作、アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』である。原作では18巻あったものを、岩波は全7巻で、平凡社は新訳で全5巻にまとめてくれている。ポッドキャスト収録時には平凡社版の第3巻を読んでいるところだったのだけれど、先週からやっと最終第5巻に手を付けることができた。読書記録によると第1巻を読み始めたのが11月7日。長編復讐劇、ようやく完結に近づいてきた。

改めて、復讐心がもたらすエネルギーの大きさを感じる。主人公、エドモン・ダンテスは14年に及ぶ独房生活のなかで、無実の自身を監獄送りにした3名への復讐心を育て続ける。お金と知力をもってパリに戻った彼は、自らの手を汚すことなくかつ短期間に敵を社会的(たまに物理的)に抹殺していく。元祖スカッと系小説だ。復讐の対象になるのが「金に汚い銀行家」「野心溢れる非正義法律家」「裏切り軍人貴族」などで、時代と場所が変わっても嫌われる人間の属性はさほど変わらないんだな。

この作品は、19世紀初頭にあった実在の事件から着想を得て書かれた作品のようだ。とある靴職人の男が資産家女性と結婚をすることになったが、それを妬んだ友人たちが偽りの密告をおこない逮捕、監獄に7年間収監されたのち、釈放後に様々な人物に扮してかつての友人たちを復讐を果たした。その人、ピエール・ピコーのwikipediaを読むと、モンテ・クリスト伯序盤のストーリーはほぼこの人の伝記である。

年末の読書にお困りの方がいれば、ぜひモンテ・クリスト伯を薦めたい。来年もいろんな不幸が身に降りかかるだろうが、こいつに比べればマシか、と思うことができるようになる。ここまで書いてきて、モンテ・クリスト伯三体プロジェクト・ヘイル・メアリーの3冊はいずれも自分の中の名作として揺るぎない地位にあるのだが、いずれも『私の環境はまだマシ』系小説なのだと気づいた。読書は、自身が何を求めているかを教えてくれる内省趣味である。


💼心惹かれたもの

  • やることチェック付箋/マルカイコーポレーション:年末のばたばたを支えてくれたのはシンプルな付箋でした。 (link)

  • ITO VINDERY 名入れパッド:年末、1年仕事をがんばった自分へのご褒美に会社名入りA3ノートパッドを発注。年明けからもがんばるぞ。 (link)

  • U-NEXT:2025年から男子プロテニスツアーの動画を独占配信するようで加入する予定(U-NEXTがイン、Netflixがアウト)フレンズも全シーズン・全話配信しているようで楽しみが増える。 (link)

✏️読んだ/読んでいる

📃記事

  • 困難な状況を生き抜くためのユーモア:「人生が困難だと感じるとき、ユーモアはストレスを和らげ、前進し続けるための息抜きを提供する」これは今年実感したことの一つで、自身も、あるいは新規事業/スタートアップに関わる人たちにも、もっとユーモアが必要。M-1みたいなハードな笑いじゃなくて、部分ツイート的なものが好みです。 (Scientific American, link)

    お好みのものを探してください。
  • 増え続ける世界の石炭消費量:増加ペースは減っているものの、新興国中心に需要増加は続いている。 (Axios, link)

  • 企業の生成AI活用の現状:Menlo Venturesのレポート。ゴールドマンサックスの調査では、米企業全体のAI利用率は6.1%に留まる。エネルギーやインフラはけっこう活用が進んでいるんだな。 (Menlo Ventures, link)

  • 苦戦を強いられる希少ウイスキー:23年9月→24年9月にかけレアウイスキー・ファインウイスキーの取引量は16%減少し、取引額も18%減少。£1k-10k価格帯のウイスキーの値下がりも強烈で25%下落。ジャパニーズウイスキーで投資!という人がちらほらいるのだけれど、ダメなら飲んじゃえばいいや、みたいなことなんだろうか。 (Quartz, link)

  • 賞味期限は無意味だ:もっと嗅覚を信じていい。食品廃棄が出やすい年末、数字をいったん無視してみよう。 (The Atlantic, link)

  • 正しいと思ったときだけイエスと言う:ヴィパッサナー瞑想の専門家でありWisdom Venturesの創設者でもあるYung Puebloが2025年に向けて掲げている5つの目標。友情を育むこと、限りあるエネルギーの使い方を考えることは私も大切にしたい。 (Elevate with Yung Pueblo, link)

  • エネルギーを取りもどすための"コントラスト"療法:beehive創業者のエッセイ。日常と非日常を行き来することが、すべての人間に必要なんだと実感します。私も2025年はコントラストある生活を実践するつもり。必要なんで。よろしくお願いします。 (Big Desk Energy, link)

  • 優しさ・ケアはスケールしない:Yコンビネーターのポール・グレアムがいうように、こんな時代だからこそ、スケールしないことをしよう。 (Steven Scrawls, link)

  • より良い営業を考えるための40の信念:できるビジネスマンはみな何かしらの営業マンである。 (Josh Spector, link)

    • 人は製品そのものではなく変化・変革を買っている

    • 売ることは関係の終わりではなく始まり

    • 自分の信じる価値以上の値段で製品を売ることはできない

    • 売り込むときは「顧客の言葉」を使おう

    • 割引は、割引を求める人々への売上を促進するだけ

📙本

美は、一つのちからである。計量できる力とは異なる、人のいのちに働きかけるちからである。消えそうないのちに息を吹き込み、人を蘇らせることすらあるのだと、そのとき経験したのだった。

知るというのは世の人と同じように知解することだが、信じるとは、自己においてその行為の責任をとることである
信じるということと乖離した、知っていることだけのことを語るとき、人は、そのことにおける責任を緩やかに回避しようとしているのかもしれない。

どの世界にも知の言葉でしか話さない人はいた。むしろ知の領域で事を収めることに必死であるといった方がよいかもしれない。知の世界のことは、自分でなくても誰かがやれば良いということを前提にしている。問題を指摘しながら自分が有能であることは表現するが、そこに関わるつもりはない、という思いが言葉の端々から感じられた。

知は重要である。知の力がなければわからないことは世の中に多くある。しかし、信のちからがなければ人も自体も動かない、というのも事実なのである。

  • 答え合わせ:NON STYLE石田さんの漫才分析論に膝を打つ。令和ロマン・ケムリさんの『漫才過剰考察』と合わせて読みました。漫才とは"偶然の立ち話である"の定義からはじめて展開される、流行の笑いがなぜ流行たり得ているかを深く深く考えることができました。そして、自身のコンサルタント像というか、コンサルティングのイメージを確立することにも繋がりました。コンサルとは対話である。だとしたら私は何をがんばり、何を敵視しなくてはいけないのか。改めて信じてがんばっていきます。 (Amazon, link)

  • インサイト中心の成長戦略:お客さんとの議論でフル活用。必要なところだけ拾い読み。いくつかコンセプトを拾ってぎゅっと資料に落としたのですが有効でした。新規事業系ワークに携わる人には2-3程度参考になるものがありそうな。 (Amazon, link)

📻観た/聴いた

  • The Nature Photographer Of The Year 2024:自然は美しい。Blood&Champagneのスナップ写真もめちゃよかったです。 (link)


🧩感じた/感じている

  • 1年間、本当にお疲れさまでした。

  • 世の中おもしれえなぁ、を口癖にしよう。 >「知的好奇心を開放しよう

  • 孤独と向き合う年末に。

人間は孤独でなければならない。
孤独になってはじめて、自分は一人ではないこと、ずっと一人ではなかったことに気づくことができるからである。

人間は孤独でなければならない。
孤独になってはじめて、そのひとりごとが実は、誰かとの対話であることに、しかもずっとそうであったことに気づくことができるのである。

🍵今の関心事

  • せっかくRiverside.fmを使い始めたので、ビデオポッドキャスト・生配信をがんばりたい。

🥑活動報告

  • 今日から1日まで久しぶりに長野に帰省します。フジドリームエアラインズ、ありがとう。

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