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2024年9月8日

出会いのきっかけを尋ねて🧭

Cobe Associe は、戦略と技術の問いを現場で検証可能な仮説に変える。

やたらと道を聞かれる。知人からすると意外らしい(こんなに穏やかで心優しい顔をしているのに)。先週は平日お昼の軽散歩中3人に声をかけられ、ハローワーク、メリケンパーク、最寄りの薬局の場所を伝えた。ハローワークの場所を聞いてきた推定年齢80歳のおじいちゃん、まだ働くつもりだろうか。ぜひ体調最優先でやって欲しい。「えろぅすんません、おおきに!」といったあと私が指さした方とは真逆に歩いていったので不安が残っている。

思えば、ここ数年人間に道を尋ねていない。最も近い記憶でも10年ほど前、医療スタートアップにいたときに豊島区の病院に行かねばならず、池袋駅で道行く人に「西口ってどこですか?」と聞いたくらいだ。「東武に向かうと西口(北)です」と返され大混乱したことを覚えている。

「あれはいつだっけ?/When」「これは何だ?/What」と問う機会はどんどん増えていく一方、「どこ?/Where」を考えることはほとんどなくなった。一昨年の段階で既にスマホユーザーの99.4%にGoogleマップ利用経験があり、週に1回以上地図アプリを使う人の割合も7割以上。Apple CarPlay/Android Autoはほぼ全ての車に標準装備されたいま、青看板や道路地図に頼ったドライブも絶滅しつつある。路上ナンパの声掛け成功率も下がっているのだろうか。

MMORPGを開発するゲーム会社からGoogleマップの元となるコンセプトの核が生まれ、スピンアウト設立されたKeyhole社がGoogleによる買収を経て世界的サービスになるまでを描いた『NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生』は素晴らしい本だった。Googleマップが登場したことで"道に迷わなくなった"ことと、Googleに買収されてからの紆余曲折を経て"もう迷わずにやりたいことをやっていく(Keyholeの創業者だったジョン・ハンケがGoogle退社後創業したのがIngressやポケモンGoで知られるNiantic社)"の掛詞になっているタイトルは、読み終わった後にこそ響くものがある。

あと数年もすれば「どうやって?/How」の殆どと物体認識のWhatもほぼ検索エンジンと生成AIが解決してくれるだろう。それらに頼るべきかどうか、使いたいかどうかとなると話は全く別だ。雑談中にすぐスマホで調べ出すやつは興ざめ。あなたは前方よりもナビ画面を見ながら運転する人間になりたいだろうか。どれだけ優秀な植物峻別アプリができようと、ノールックで「それはスギヒラタケ。食べちゃダメ」と呟くおっさんは私の中で尊敬の対象である。

燃え殻さんのエッセイ『すべて忘れてしまうから』を読んでいると、思い切って話しかけたとき、あるいはふと話しかけられたときに大切な思い出ができることを実感する。20年後も迷い人から道を尋ねられる人でありたい。たとえ技術が全ての道案内課題を解決してしまったとしても、出会いのきっかけを尋ねていこう。


💼心惹かれたもの

  • プロジェクトペーパー ハーフレポートパッド:PC作業と並行して手書きするとなるとA4はでかいなぁと思っていたら、ちょうどいいサイズの子がいました。 (link)

    プロジェクトペーパー ハーフレポートパッド
    作業環境の快適度が、事前期待の8倍改善しました。
  • UCC アイスコーヒー 無糖 希釈タイプ:牛乳だけあれば15秒でアイスカフェオレができるやつ。秋になっても友だち。 (link)

✏️読んだ/読んでいる

📃記事

  • パワポ職人の人生:何度読んでも最高なYou Kosekiさんの短編。仕事でMicrosoft Powerpointを扱ったことがある全ての人におすすめ。私が好きなのが↓の引用部分。なんとなくテイストに合いそうだなと感じた方は『食べられログ』や『美女の殺人』もぜひ。 (youkoseki.com, link)

以降、過去の作品を大胆にコピペしたコラージュや、あえて旧バージョンを用いたデザイン、誰も使わなかったクリップアートの発掘、完全には動作しないマクロ、破損したファイル形式など、加藤の作品は大胆さを増すばかりであった。主題のないパワポ、結論のないパワポ、文字による説明のないパワポなど、いわゆる「ノー」シリーズでは世界的な名声を獲得する。

  • IKEAバッグを枕にしてみた:シンガポールのThe Secret Little Agency社とIKEA公式が組んで枕にもなるショッピングバッグ・Restenを、先週開催されたRestFest2024で販売。「あとはIKEAにおまかせ」と「おやすみ」の意味を込めて"leave the rest to IKEA"の文字を持ち手にあしらったふかふかバッグ。ちょっとほしい。 (dezeen, link)

Squidgy IKEA Frakta bag
電車で行くIKEAってあるんだろか。
  • オフィス回帰が進む街/進まない街:米国の調査。ニューヨークやマイアミでは復帰率が高い一方、ヒューストンやサンフランシスコは未だにリモートワークが主流。ここ数年の家賃上昇率と合わせて分析すると面白そうだ。オフィス空室率はどうなっているんだろう。 (Axios, link)

  • 火葬でも土葬でもない『堆肥化』の道:"Terramation"と表現される遺体を堆肥にする取り組みを、earth funeral社が「カーボンニュートラルな葬儀」として進めている。一度身体を綺麗にしてから生分解性の覆いで包み、ウッドチップや花を敷き詰めたベッドの上に置いて土になるまで待つんだと。最終的には200~300ポンドほどの土が出来上がる。費用は約5千ドルで通常の火葬葬儀とほぼ同じとのこと。 (Market Place, link)

  • タトゥーで肌に刻まれる言葉を眺める。:"Fear No Evil(詩篇23篇)"ってそんなに多いんだな。仏教経典や神話の言葉を彫っている日本人はいるんだろうか。 (The Atlantic, link)

  • AIを"思考パートナー"として活用する:答えではなく案/アイディアを求める、が活用方法の原則(決断・判断主体はどこまでいっても自分)。記事中にあるとおり、取締役会など大事な会議の前にAIと事前壁打ち・議論しておくのは有用な使い方。「正直こう使ってもらえたら私は不要になるな」という戦略プロジェクトがいくつも思いつく。すべては皆さんのポケットの中に。 (No Mercy/No Malice, link)

  • 「デュルケームの僧院」から考える:スタートアップ界隈で話題のセクハラ問題云々を横目でみていて記事中にある「社会が変われば逸脱とみなされる行動も許容されない行動も変わり、私たちが何をいけないこととみなすのかも変わる」を実感しています。 (シロクマの屑籠, link)

  • 正しく頑固でいるために:巷で話題の「やりきり力/グリッド」と頑固さは紙一重。拘る気持ちと同時に、エネルギー・活力と想像力、回復力と判断力を高く保ち続けることを大切に。頑固になるだけなら誰でもできる。しかし残りの資質を持ちつつ頑固である人は大変稀である。『偉大な仕事をする』も素敵なエッセイでおすすめ。 (PG, link)

📙本

  • 「言葉にできる」は武器になる:クライアントの若手メンバーが成長するためにどんな切り口で課題を捉えると良いんだろうと数ヶ月悩んでいたのですが、この本にあった『「内なる言葉」で意見を育てる』の部分を読んでこれだ!と確信しました。思考サイクル7つのステップは自分の頭の中での動きを見事に言語化してもらった気持ちに。フェルトペンのような太いペンの方が思考が捗る、という感性にもなんかわかるなぁとなりました。2時間くらいで読めます。もっと物事を考えられるようになりたい人や、考えていることがなかなか他人にわかってもらえない人はぜひ読んでみて欲しい。 (Amazon, link)

  • 燃え殻さんエッセイ『すべて忘れてしまうから』:燃え殻さんのエッセイを読むためだけにdマガジンに登録しているほどのファンなので、定期的にこのエッセイ集も読み返しています。今回心に残ったのは「偉そうにするなよ。疲れるから」「涙を流している人が常に一番悲しいわけじゃない」「やっぱり、すぐに「わかる」って言う奴はダメだと思うんだ」の3つ。美文よりも"まっすぐ文"を書く人間でありたいと感じる読後感。 (Amazon, link)

  • 燃え殻さん小説『これはただの夏』:心を取り戻すいい時間になりました。もう夏も終わり。「普通に最悪だね」って言い合える友人がいれば人生は楽しい。 (Amazon, link)

📻観た/聴いた

  • 志の輔らくご in 森ノ宮 2024:ネットで落語「みどりの窓口」をみてからいつか直接体験したいと思っていた立川志の輔師匠の高座に行ってきました。最初の小咄から最後人情話のクライマックスまで、あっという間の3時間。名人芸ですわ。 (link)

  • ドラえもんのどら焼き屋さん物語:カイロソフト発、藤子・F・不二雄キャラ満載のドット絵経営シミュレーション。牛沢さんのプレイ動画をみていたらやりたくなってきた。絶妙に緩い絵もよい。 (link)

  • Wildlife Photographer 2024:ただただ自然はまっすぐで美しい。迫力。 (link)


🧩感じた/感じている

  • 新オフィス近くに歴史あるジャマイカ料理屋さんがあるのを発見。これはランチが捗る。

  • カバーストーリーを書きながら迷いのことを考えていて、『会社という迷宮――経営者の眠れぬ夜のために』のハイライト部分を読み返したらいろんな発見があった。勝手に連想ゲーム、どんどんやっていこう。

「会社」の持てる可能性を掘り起こし、知恵を結集し、奥義を尽くし、資源を総動員して、事業に新しい道を拓くという営みを「開発」だと定義すれば、それは「会社」の事業発展の原動力そのものであるということになる。その本質は、リスクを取って未知に挑む創造作業そのものに他ならない。「会社」とは、自ら信じる「価値」の実現に向けてリスクを取って事業に挑む存在なのだとすれば、「開発」こそは「会社」の本義であり、存在意義そのものであるともいえるだろう。その意味で本来、そこは「会社」という迷宮の、奥の院である。 (Kindle位置: 1,915)

🍵今の関心事

  • 西山朋佳女流三冠の棋士編入試験。明日10日が五番勝負の第1局。

  • ミャンマー統治の行く末。五常代表の慎泰俊さんが『週末随想(2024年9月1日)』で書かれていたように、簡単な出口はないように見える。そういえば今年前半に暴動・混乱が報告されていたハイチはどうなったんだろうと調べてみたら、刑務所や市街地でギャングの暴動が未だ頻発しており、急いで新兵採用を進めているとのことだった。

🥑活動報告

  • 会社第7期はロケットスタート。景気の良い見積書を乱発しています。

  • ノンアル製造、急がずしかし手を抜かず、5年くらいかけてしっかりやっていきたい。もの作りは本当に難しく、そして楽しい。自分が信じる価値の実現に向けてリスクをとってやっていこう。

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