試考錯誤:コンサルファームはAIプラットフォーマーと少数精鋭戦略集団に二極化する
現在、コンサルファームは玉石混交の状態だ。AIの登場で明確に消えゆく運命にあるのは、第一に有機体・人間の地頭頭脳だけで勝負する大規模ファーム、もう一つは顧客接点を人海戦術で維持する派遣会社型ファーム。うまくいかないというより、その道を選ぶ合理的理由がない。だから消えていくはずだ。
なぜか。コンサルティングファームの本質は人材を抱える固定費商売だ。給料を払い、高稼働率で回し続ける。回転率商売の製造業と同じく、限界利益で勝負するハイリスクな稼働率ビジネスである。この構造下で規模を追求するなら、AIを使わない選択肢はない。2025年8月現在、最高性能の消費者向けAIモデルが月200ドル(約3万円)。高いと思うかもしれないが、コンサルタント一人の人件費と比べれば圧倒的に安い。固定費として抱えるなら、人よりAIの方が合理的だろう。
生き残る道の一つ、AIプラットフォーマーは、安価な固定費で稼働率を最大化できる。これは極めて合理的な投資判断だ。一方、人材で勝負する価値はどこにあるか。それはジュニアスタッフではなく、シニアレベルの知見にある。だが、そうした人材を抱えるコストは膨大だ。しかも賢い人間ほど自由を求める。大組織での縄張り争いより、小規模ファームでの自由な活動を選ぶ。
結果、二つの道が残る。AIプラットフォーマーとして、固定費を極限まで下げ、規模と効率を追求する道。あるいは「効率だけが全てではない」と抗いながら、多様な思想を持つ少数精鋭集団として生きる道。
採用と退職を繰り返し人海戦術に頼るコンサルファームや、同様の構造を持つクリエイティブ系企業は相当厳しくなるだろう。「人間らしさで頑張ります」という中途半端な立ち位置では生き残れない。
これは悲観論ではない。むしろ、明確な選択を迫られることで、各ファームの本質的価値が問われる好機かもしれない。効率を極めるか、効率を超えた価値を生むか。
中途半端は許されない時代が、すぐそこまで来ている。
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